「なぜ報連相ができないんだ!」
上司から直接か、あるいは全体連絡によってかはともかく、そのように釘を刺された経験があなたにもあるかもしれません。
「報連相の大切さはわかっていてもなかなか身につかない」と、報連相に苦手意識を覚えていませんか?
報連相ができないと、周囲にじわじわと悪い影響を与え、あなたの評価を下げてしまう結果になります。報連相が苦手な人は、以下の3つを知ることで報連相に対する苦手意識を克服できます。
・報連相がなぜ大切なのか
・自分はなぜ報連相が苦手なのか
・どうすれば克服できるのか
この記事では報連相の大切を知るために、この3つを順番に解説します。報連相が苦手な方が、少しでも苦手意識を解消する手助けになれば幸いです。
報連相が重要な理由
「報連相が大切なのはわかっているんだけど、でもできない・・・」
こんな風に思っていませんか?
報連相がなかなか身につかないのは、もしかしたら報連相の大切さを間違って理解しているからかもしれません。あるいは、本当は大切だなんて思っていないのに、「上司にとって大切なんだから、自分も大切にしなきゃいけないんだ」と思い込もうとしているだけという可能性もあります。
ビジネスを円滑にすすめる
スムーズな報連相は、ビジネスを円滑にすすめるための潤滑油となります。単に上司が満足するだけでなく、あなた自身の仕事環境をぐんぐん改善してくれるのが報連相なのです。
社員がタスクをこなし、それらが絶妙に関わり合う中で会社は前進しています。1人の業務が滞れば、自分とかかわるタスクの担当者に必ず影響が出ます。もちろん、もっとも直接影響を受けるのはあなたの上司です。
特に会社に入ったばかりだと、まだ覚えていない仕事が多く、環境にも慣れていません。だからこそ、報連相をしっかりと行い、上司や先輩にあなたの業務の進捗状況を知ってもらうことが大切なのです。そうすると、あなたの仕事が遅れがちであっても、周囲はあなたを助けることができ、会社全体の業務が滞らず、前進し続けることができます。
報連相不足で引き起こしたトラブル事例
例えば、以下の事例を見てみましょう。
Aさんは取引先の担当者から「貴社の新商品〇〇について再度説明を伺いたいので、担当者に伝えてほしい」と電話を受け、その内容について上司に報告しました。以下がその報告風景です。
Aさん「すみません、取引先から新商品についてのもう一度説明してほしいと言われました。」
上司「新商品って、どの新商品?」
Aさん「えっと、〇〇です。向こうで説明資料をなくしてしまったんだと思います。説明資料を送ればいいと思います。」
上司「ああ、わかった。」
翌日、上司が説明資料を送ったところ、取引先から「そうじゃない。担当者に現場に来て説明してほしかったんだ」と苦情を言われてしまいました。
この報告の問題点は、「報告内容を正確に伝えなかったこと」「担当者に伝えてほしい、という取引先の言葉を、自分で勝手に解釈して伝えたこと」などが挙げられます。結果として、取引先に不快な思いをさせてしまい、上司も取引先から怒られることになってしまいました。
なぜ報連相に苦手意識がある人がいるのか
何が原因で報連相に苦手意識を覚えてしまうのでしょうか? 報連相が苦手な人の4つの特徴を見てみましょう。
何を話したら良いかわからない
「報連相をしろと言われても、具体的に何を話したらいいかわからない」という理由から、つい報連相を怠ってしまう人がいます。このような人は、どこからどこまでを報告すればいいのかわからなかったり、あるいは何かあっても大した問題ではないと自分で判断し、連絡しなかったりします。
あるいは、上司によって報連相の仕方が違い、戸惑ってしまう人もいます。
上司Aからは「もっと詳しく教えて」と言われ、上司Bからは「もっと要点だけ話せ」と言われ、「一体どっちが正解なの?」と思ったことがあなたにもあるかもしれません。
これは「やれと言われたからやっている」タイプの人です。このような人は「報連相は上司のご機嫌取りではなく、自分にとって大切なことなんだ」と知ることで報連相への意識が変わります。報連相が自分のためだとわかれば、報連相に積極的に取り組むことができるようになります。
自信がない
「自信がないから、報告や連絡が怖くなってしまう」という悩みを持つ人もいます。連絡の仕方にも自信がなく、「これで合っているのだろうか」と気になり、なかなか連絡できません。1つの失敗がすべての終わりになると勘違いしてしまっているため、自分の評価を下げたくない一心で報連相に積極的になれません。
これは「報連相の大切さは分かっていても、プライドが邪魔している」タイプの人です。失敗や連絡の仕方を間違えることで、何かトラブルを引き起こすことを恐れているのです。
このような人は「報連相はミスを責めるためのものではない」と知り、報連相に対する警戒心を解くべきです。報連相はビジネスを円滑に進め、トラブルやミスによる被害を最小限に抑えるためのものであって、社員を監視するためのものではありません。
また、報連相をして怒られるより、報連相をしない方が責任は重くなります。確かに失敗やトラブルは避けるべきですが、事前に報連相をしておくことで、ミスを隠さなかった態度を示すことができ、自分の身を守ることができるのです。
上司が怖い
「上司が怖くて報連相ができない」という人もいます。ミスを怒られる。自分の意見が受け入れられないと思っている。あるいは、「こんなことを相談するなんて失礼だ」と上司に気を使ってしまう。
これは「上司を絶対的な存在としてしまっている」タイプの人です。確かに上司は役職は自分より上かもしれませんが、それでも一人の人間です。報連相とは上司があなたを監視して縛る手段ではなく、コミュニケーション手段の一種なのです。
コミュニケーションが不足すると人は不安になります。報連相が不足すると、上司はあなたの動向を把握できず、不安になります。報連相をしっかりすることで、上司を安心させ、あなたへの信頼を強めることになるのです。
報連相の苦手意識を克服するためのコツ
報連相が苦手な人のタイプを見てきました。次は、その苦手を克服するコツを見ていきましょう。