外国人の部下が、「報連相」の必要性について説明を求めてきたときに、どう答えればいいのか迷ってしまうものです。
まともな説明ができず、部下が納得できなければ、「報連相」を実行するのは難しいかもしれません。
今回は、外国人相手に「報連相」を英語で説明する場合、どのように言えばいいのか、例文を用いて説明します。
さらに、「報連相」の重要性や、言葉の意味を解説する方法もあわせて見ていきましょう。
報連相を英語で言うと?
「報連相」を英語で言うときは、具体的にどうすればいいのか、非常に悩ましい問題です。
「報連相」の言葉自体を英語訳にはできないのですが、報告、相談、連絡と、3つのワードを英語に変換はできます。
しかし、これらの3ワードを英語訳にしただけでは、聞いた相手には何も伝わりません。
最も正しい「報連相」の英語版としては、まずは「ホウレンソウ」というワードについての解釈や意味を英語で伝えることです。
「ホウレンソウ」の「ホウ」は「報告(Report)」という言葉を示しており、部下が上司に業務の進捗状況や完了報告を報告します。
「レン」は「連絡(Communicate)」のことで、「ソウ」は「相談(Consult)」という意味です。
一言で「報連相」を英語訳にはできないため、必ず言葉の意味を英語に訳して伝えてください。
報連相を英語で説明したい場合に使える例文
外国人や新入社員などに「報連相」を英語で説明する場合、言葉の意味や使い方などを英語訳したものを説明することが理解できても、実際には説明が難しいです。
社内の外国人スタッフに「報連相」を英語で教える場合に、最適な例文や重要性と必要性を詳しく説明する方法を見ていきましょう。
報連相の意味を説明したい場合
英語力を判定するためのテスト「TOIEC」の公式サイトでは、外国人に向けた「報連相」を英語で説明する場合の例文が掲載されています。
「There are three things I want you to do for me in your work: provide reports, keep the lines of communication open, and ask for guidance or advice. In Japanese, we remember these three things with the word ho-ren-so, which means "spinach" in English. Ho stands for hokoku ("report"), ren for renraku ("communicate"), and so for sodan ("consult" or "seek advice").」
訳「仕事をするに当たって、私に対してやってもらいたいことが3つあります、報告、コミュニケーションを図る、そして相談です。日本語ではこの3つのことを「ホウレンソウ」という言葉で覚えます、英語のspinachの意味です。「ホウ」は報告、「レン」は連絡、そして「ソウ」は相談を意味します。」
このように「報連相」というワードの説明を用いて、理解を促します。
まずは「ホウレンソウ」というワードを伝え、このワードが何を意味しているのか、分解をして1つずつ説明しているところがポイントです。
とても短い説明文ですが、とても的確で伝わりやすい例文になっています。
報告はなぜ必要なのか、相談と連絡についても目的は何かを追加で説明すると、さらに相手に伝わりやすいです。
「報連相」をすることによって、リスク回避やメリットがあることも、理解してもらいましょう。
「報連相」が重要であり、なおかつ仕事をするうえで、とても必要なものであることを追加で説明します。
そのためには、以下に紹介する重要性や必要性を追加で説明してください。
報連相の重要性を説明したい場合
「報連相」がなぜ重要なのか知りたいと問われたときは、「報連相」が良好な関係を築くためのすばらしいコミュニケーションツールだと伝える必要があります。
良好な関係が生まれると、それが仕事の成果に直結することを伝えてください。
あくまでもコミュニケーションは仕事の効率や成果を上げるためであって、単に友達のように仲良くするためのものではないことを強調します。
そして、良好な関係を築くと、大きなミスを未然に防ぐ役割があるのも、とても重要です。
信頼できる上司には、どんな些細なことでも報告や相談を欠かさないため、重大なミスや事故が起きる前に、対策が取れることを説明しましょう。
「報連相」の最終的な目標は、職場環境を円滑にし、仕事を効率化したうえで、会社の利益を底上げするために必要なものだと説明します。
なぜ日本人は細かく報連相を求めるのかを説明したい場合
外国人にとっては、部下が業務の進捗状況や完了報告を逐一入れるのは、過保護か、もしくは自立していないように感じています。
上司が部下を見張っているのではないかと、信頼関係を崩しかねない要素も含んでいるので、日本人の部下よりも細かい説明が必要です。
日本では初めから終わりまで、全部1人で仕事をすることはありません。多くの仲間と連携を取りながら、大きな仕事を進めていきます。
そして、上司はその大きな仕事を全体的に見て、問題があれば修正し、導く役目となっているのです。
ようするに大きな船のかじを取る船長といえます。
しかし、部下が「報連相」をしてくれないと、上司はどこに問題があるのかに気付けません。
どんな仕事にも納期が設定されていますが、期日が来ても仕事が完了していないことに気付き、納品ができないなどの、大きな問題に発展してしまう危険性があります。
上司は部下からの適切な報告や連絡を受け、問題がないように、なおかつクオリティを高めるための調整をする役目があるため、「報連相」が必要です。
報連相に関わる英語例文
「報連相」を英語で説明したいときは?
外国企業でも「報連相」の大切さがわかっているところがあります。
以下では実際に業務を進めるなかで、「報連相」が行われている例文が掲載されているので、細かく見ていきましょう。
・「Our sales are up by 20% this year.」(今年の売上は20%上昇しました。)
・「The total sales are still below target.」(売上総額はまだ目標に達していません。)
それぞれの企業では、目標とする売上金額が決まっています。そして、この報告を受けることで、上司はどうするかを決めなければなりません。
売上が上昇したなら問題ありませんが、売上の目標を達していないなら、何が問題なのか、足りない分をどうすればいいのか対策が打てます。
報告を受けずに業務を進めていけば、大幅な赤字を抱えてしまうことになり、リストラなどの問題に発展する可能性が高いです。
営業マンに任せてあるから安心だと、放置をしてしまえば、誰が何をどのくらい売ったのかがわからず、結果的に売上が激減しているのにまったく気付けなかったとすれば、取り返しが付かなくなります。
・「I discovered that our overhead costs were far over budget.」諸経費が予算をはるかに上回ることがわかりました。
これはプロジェクト費用があらかじめ決まっているにも関わらず、その予算内で抑えることができなかった報告です。
この例文も、もし上司がまったく知らなかったとすれば、売上はそこそこ上がっていても、結果的に赤字となるかもしれません。
知った時点で、問題点を修正し、対応していれば、赤字は防げる可能性が高いため、「報連相」は非常に大切だということです。
こうして例文を見ていくと、「報連相」の重要性や必要性が、とてもよく理解できます。
報連相に関する英語表現を正しく覚えましょう
外資系企業で働くときでも、「報連相」はとても重要なものです。
「報連相」が重要だと思っていない外国人の部下に、英語で説明するには適切な英語表現が必要になります。
「報連相」が受け入れにくい外国人に、「報連相」をうまく説明し、仕事をするうえで必要なものだと理解してもらいましょう。