文書・文章作成

文章と文書の違いを書き方や使い方を例文を交えて解説

日々、様々な文章や「ビジネス文書」にふれる機会が多いビジネスパーソンは、そもそも「文章」と「文書」は何が違うのか疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。この記事では、「文章」と「文書」の違いや使い方、また書き方の違いについてわかりやすく解説いたします。メールや企画書の作成など、大切なビジネスシーンで失敗しないよう、意味の違いやその使い方を理解し、正しい「文章」と「文書」の書き方を身につけましょう。

文章・文書の違いとは

「文章」と「文書」違いを調べてみると、サイトによっては「文章」の類語に「文書」が含まれている場合もあるほど、2つの違いは曖昧です。しかし、2つの言葉にははっきりとした違いがあります。ここでは「文章」と「文書」の違いを明確にすべく、それぞれの意味や使い方を分かりやすく解説します。

文章・文書それぞれの意味

まずはじめに、「文章」と「文書」それぞれの意味を解説します。

文章

「思想」「感情表現」「話題」などの、一連の意味を持つまとまった内容を文章といい、文がいくつか連なった状態を指します。小説、論文、随筆、詩、短歌などが「文章」に分類されます。

文書

文章とは、参照されることを前提に書かれている情報の媒体のことです。紙に文字を記したものだけでなく、メディアに電子的に記録され、コンピューターによって操作する記録媒体なども含みます。報告書、レポート、説明書、手紙などが「文書」に分類されます。

参考:デジタル大辞泉の解説(コトバンク)

参考:フリー百科事典(ウィキペディア)

文章と文書の使い方の違い

意味の違いを理解していただいたところで、「文章」と「文書」の使い方の違いを、例文を用いて分かりやすく解説します。

「文章」の使い方

文章力、文章量、文章構成、文章表現、文章が上手い、文章を書く

「文書」の使い方

文書作成、文書管理、ビジネス文書、文書を提出する、文書を印刷する

「文章」「文書」の例文

「彼が提出した海外出張レポートの"文章"がとても上手かったので、新案件に関する提案書の"文書"作成を彼に任せた。」

その他に混同しやすい「文」「文面」「書面」とは

「文章」と「文書」の他にも、混同しやすい「文」「文面」「書面」の3つの言葉があります。これらの違いについても理解しておきましょう。

「文」とは、文法学上での単位の1つで、1語以上の言葉からなるものを指します。1つのまとまった内容を表し、末尾は 句点「。」で終わります。例えば、「おはよう。」は句点で終えているので、文になります。「お」や「は」などの語は文とは言いません。

文面

「文面」は文が連結しているだけでなく、その内容がどんなものかを指します。例えば、書いた人の感情や趣など、文章の表現が直接示している趣意のことを言います。

書面

「書面」とは、紙に書かれている文書や手紙を指します。メールでのやりとりが当たり前の時代ですが、機密文書、社外秘のもの、捺印が必要なものについては書面にすることが基本です。

参考:日本大百科全書の解説(コトバンク)

参考:三省堂大辞林(weblio辞典)

ビジネスにおける文章と文書作成のために必要なこと

ビジネスシーンにおいて、「文章」と「文書」の作成力は必要不可欠です。ここでは、書き言葉と話し言葉の違いや、伝わりやすい「文章」と「文書」の作成のポイント、また文章力を付けるためのポイントなど、「文章」「文書」作成に役立つスキルについて解説します。

書き言葉と話し言葉を区別する

意思や内容を伝えるための同じ「言葉」ですが、「書き言葉」と「話し言葉」の区別がいまいちできていない方も多いようです。「話し言葉」と「書き言葉」の見分け方をわかりやすく解説しますので、ビジネス文書の作成時などに失敗をしないよう、しっかりと区別できるようにしましょう。

「書き言葉」とは、読み返すことを想定した文章に使われる言葉です。「硬い表現が多い」「断定など明確な表現が使われる」、などが特徴です。一方、「話し言葉」とは、日常的に相手と話す時に使う言葉です。「親しげな表現」「優しい表現」「感嘆詞を使う」などが特徴です。「書き言葉」と「話し言葉」で違いがある言葉の例を下記でピックアップしました。

 

書き言葉話し言葉
食べられない食べれない(ら抜き言葉)
聞こえている聞こえてる(い抜き言葉)
とても・非常にすごいしかし・だがでも・けど

このように普段何気なく使っている言葉ですが、特にビジネスシーンでは「話し言葉」の混在に注意し、正しい「文章」「文書作成」をしましょう。

文章・文書の書き方を理解する

日々のメールのやりとりや企画書作成など、ビジネスシーンは文章なしでは成り立ちません。ここでは、「文章」と「文書」の書き方についてのポイントを解説しますので、書き方のコツを掴んでビジネスシーンに活かしましょう。

「文章」の書き方のコツ

「文章」の書き方のコツは、誰に何を伝えるのかを明確にし、全体の構成を作ってから本文を書くことです。構成作成時に意識することは、先に全体の要約や結論を伝えることです。読み手は文章の概要や要点を押さえた上で読み進めることができ、内容を理解しやすくなります。

ビジネスにおける「文書」の書き方のコツ

ビジネスにおける「文書」の書き方のコツも、「文章」の書き方と同じく、「結論を優先させる」ことです。続いて原因や経過、最後に意見の順番で書きます。合せて、事実と意見をしっかりと区別することも意識しましょう。ビジネス文書の目的は、用件を正確に明瞭に伝えることですので、表題をつけて内容がひと目で分かるようにし、箇条書きを取り入れるなど、一読で内容が伝わるようにします。

文章力をあげる

文章力をあげるために、上述の「誰に何を伝えるのかを明確にすること」また「構成を作ってから本文を書く」ことがとても重要です。さらに、ビジネスシーンにおいて必要な文章力とは以下のポイントが挙げられます。

1文は短く

長い文章は読み手にとって負担です。長い文章を読むことは、相手の時間を奪っていることだと認識し、文章は削ぎ落としできる限り簡潔にしましょう。

単調な流れを避ける

途切れのない文章は、内容を理解しにくく読みにくい文章になります。内容が重複していないかや、句読点やカギ「」の使い方を意識し、明快でリズムのある文章を心がけましょう。

曖昧な表現を避ける

すごい、大きい、長年など読み手によって捉え方が変わってしまうような表現は避け、代わりに数値で表しましよう。

文章力をあげるためのポイントを押さえ、日々のビジネスシーンに役立ててください。文章力をあげることで、ビジネス文書の質もあがるはずです。

文章と文書は意味も違えば書き方も違う

「文章」と「文書」について、基本的な違いやその使い方、伝わりやすい書き方と注意すべきポイントを解説しました。「文章」と「文書」は話し言葉と違い、すぐに補足や訂正ができません。違いや使い方を理解せずにいると、思わぬ誤解やミスを招くことになりえます。

文章の書き方のポイントを押さえて、日々の文章の質を上げていきましょう。同時に、ビジネス文書の質を上げ、ビジネスパーソンとしての成果につなげていきましょう。

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